この記事は特定の行動を推奨するものではありません。事件の正確な情報提供と安全啓発を目的としています。

📰 この記事の概要
名古屋で女性にテキーラ32杯を飲ませ死亡させた事件で、2026年3月13日に懲役14年の判決が出ました。
1 被告はわいせつ目的で25歳女性にテキーラ32杯を約90分で飲ませ、ホテルに連れ込んだ
2 女性は急性アルコール中毒による低酸素脳症で約1ヶ月半後に死亡
3 名古屋地裁は準強制性交致死罪で懲役14年を言い渡した(求刑16年)

テキーラ32杯事件の概要イラスト

01|📰 何が起きたのか

2023年5月7日、名古屋市中区のバーで事件は起きました。

44歳の会社役員の男が、店員に「誰か女を呼べ」と指示。呼び出された25歳の女性に、約90分間でテキーラをショットグラス32杯飲ませました。

女性はその場で意識を失い、男はホテルに連れ込みましたが、女性の状態が重篤だったため性的暴行は断念。女性は搬送先の病院で約1ヶ月半後に亡くなりました。死因は急性アルコール中毒による低酸素脳症です。

テキーラ32杯。ショットグラス1杯30mlで、アルコール度数40度。合計の純アルコール量は約303g。ビール中瓶に換算すると約19本分です。

体重50kgの人なら、10数杯で致死量に達します。32杯は、その倍以上。


テキーラ32杯事件の裁判経緯イラスト

02|⚖️ 裁判の経緯と判決

初公判は2026年3月2日。被告は「女性が亡くなったことは反省しているが、わいせつ目的は一切なかった」と無罪を主張しました。

防犯カメラの映像が決め手になりました。

映像には、初対面で困惑する女性に性的な言動を繰り返しながら飲酒をあおる被告の姿が映っていました。被告自身はたった2杯しか飲んでいません。

▼ 裁判の流れ
3月2日
初公判。被告は無罪を主張
3月9日
検察が懲役16年を求刑
3月13日
名古屋地裁が懲役14年の判決

裁判長は判決で、22杯目を飲ませた時点で男がホテルへの誘いを断られていたことを指摘。「23杯目を促した時点でわいせつの意図があった」と認定しました。

断られた後に、さらに10杯。約10分間で。

しかも女性が意識を失った後も介抱するそぶりはなかった。この事実が「無罪主張」を退ける決定打になりました。


テキーラ32杯の危険度を示すイラスト

03|🍸 テキーラ32杯がどれだけ危険か

「飲みすぎて記憶飛んだ」は夜職あるあるかもしれません。でも今回の量は、そういうレベルではないです。

▼ テキーラ32杯の危険度
960ml
総量(30ml×32杯)
約303g
純アルコール量
約19本
ビール中瓶換算
90分
飲ませた時間

血中アルコール濃度が0.4%を超えると、昏睡から死亡のリスクが跳ね上がります。体重50kgの女性なら、テキーラ10数杯で到達する濃度です。

32杯は「飲ませすぎ」ではなく「殺しうる量」。裁判所もそう判断しました。


夜職女子の安全対策イラスト

04|🛡️ 夜職女子が知っておくべきこと

この事件は夜の仕事をしている人にとって他人事ではないです。

キャバクラやラウンジでは、客と一緒に飲む場面が日常的にあります。「もう1杯」と言われて断れない空気もある。でも、自分の命は自分で守るしかありません。

飲ませる側にも罪がある。 これが今回の判決の核心です。

「一緒に飲んでただけ」では済まないケースがある。相手が泥酔しているのを分かっていて、さらに飲ませる行為は犯罪になりうる。

具体的に覚えておいてほしいこと。

  • 自分の限界量を知る。「いけるかも」で飲むと、限界を超えてからでは判断力が残っていない
  • 店のスタッフに「あの客、ちょっとおかしい」と言える関係を作っておく
  • テキーラやショットの一気飲みは、体がアルコールを処理する前に致死量に達する危険がある
  • 吐いたら大丈夫、ではない。吐いた時点ですでに血中に回っている分は戻せない
  • 意識がなくなった人を放置することは、それ自体が犯罪(保護責任者遺棄)

飲ませた側の罪についてのイラスト

05|💬 「飲ませた側の罪」が認められた意味

今回の判決で注目したいのは、「飲酒をあおった行為」そのものが犯罪の一部として認定されたことです。

これまでも飲酒絡みの事件はありました。でも「飲ませた側」の責任が問われるケースは多くなかった。被害者側の「自己責任」で片付けられることも少なくありませんでした。

懲役14年。求刑16年に対して2年減ではあるものの、重い判決です。

この判決が、今後のアルコールハラスメントや飲酒強要に対する抑止力になるかどうか。

期待したい。でも、判決ひとつで世の中がすぐに変わるとは思えない。だから、自分の身は自分で守る。それが現実です。


よくある質問

テキーラ32杯で人は死ぬの?

死にます。テキーラ32杯(ショットグラス)の純アルコール量は約303g。体重50kgの女性なら10数杯で致死域に達するとされています。90分でこの量を飲むと、体が処理しきれず急性アルコール中毒を起こします。

飲ませた側は何の罪に問われるの?

今回の事件では、準強制性交致死罪とわいせつ目的略取罪で起訴されました。わいせつ目的がなくても、泥酔状態の人を放置して死亡させた場合、保護責任者遺棄致死罪(刑法219条)に問われる可能性があります。

夜職で無理に飲まされそうなときはどうすればいい?

店のスタッフに相談する、トイレに逃げる、「体調が悪い」と明確に断るのが基本です。それでも聞かない客は、店として出禁にしてもらうべきです。自分の命より大事な売上はありません。

一気飲みはなぜ危険?

胃から吸収されたアルコールが血中に回るまでには時間差があります。一気飲みだと「まだ大丈夫」と感じている間に致死量に達してしまうことがあり、気づいたときには手遅れになります。


この記事は2026年3月14日時点の情報に基づいています。 判決の詳細は裁判所の公開情報に基づきます。

⚠️ 飲酒トラブルや被害に遭った場合の相談先

  • 警察相談ダイヤル: #9110
  • 犯罪被害者ホットライン: 0570-079714
  • よりそいホットライン: 0120-279-338(24時間対応)